2006年 05月 21日
海 その愛 |
頭の構造が単純な私は、こっちのほうが見たいなぁ。すでに動員が200万人を超えたそうで「今年の邦画のナンバーワンに躍り出る可能性が出てきた」なんて報道も。
で、朝日新聞には「海猿」効果? 海上保安学校の受験者、過去最多に」なんて記事も載ってました。海上保安官を養成する海上保安学校の受験者募集に、過去最高の5467人の応募があったそうです。
その昔「サルバドル~遥かなる日々~」を見て報道カメラマンを目指した私のように単純な人たちが、まだ日本には大勢いるんですね(笑)。
私の人生を誤らせることになったこの映画で、主役のフリーカメラマンを演じたのはジェームス・ウッズ。むちゃかっこよかった。酒色にだらしがない、いい加減な男でジャーナリストとしての使命感などまるで無し。しかし、そこで起きている事の本質を的確に捉えていて、大方の記者が危ない橋を渡らず、権力側の「大本営発表」を垂れ流すなか、自力で反政府側にも取材をかけてるんですよ。オリバー・ストーン作品の中で一番の傑作だと思います。
で、フィリピンに話を戻します。「海猿」の話でしたね。海上保安庁は、2002年7月よりOB一人を含む4人の海上保安官をフィリピンに長期派遣。「海上保安人材育成プロジェクト」に沿って、「法令執行」「海洋環境保護」「航行安全」「捜索・救助」の各分野でフィリピン沿岸警備隊の人材育成を進めています。
特に近年アジア地域で多発している海賊行為などへの対策として、沿岸警備隊の若手士官らに国際法から逮捕術まで、海上の犯罪者を取り締まる知識・技術の指導に力を入れています。不審船の制圧訓練などを何度か取材させてもらいました。
マニラに派遣されている海上保安官の一人、濱口さんとはプライベートでも親しくお付き合いさせて頂いてます。沿岸警備隊の機材・人材不足もあり、そもそも船と燃料が不足していて、いろいろとご苦労も多いようです。プロジェクトのホームページには「日本漁船が台湾沖で救助したフィリピン人漁民を洋上で引き取る際、マニラ湾から外に出るのも嫌がったという事例があります」なんて記述も・・・。
しかし、そこは新潟海上保安部で「高速特殊警備船つるぎ」機関長を務めた「海の男」。日本の沿岸警備の第一線で活躍しておられた濱口さんの経験・知識から隊員たちが得るものは多く、訓練では隊員たちが濱口さんの指導を真剣なまなざしで聞き入ります。
濱口さん、かっちょいいです!訓練で隊員を叱咤激励する姿は、一緒にお酒を飲ませて頂く際のお姿とは別人(笑)!
私は職業柄、ずっと一匹狼でやってきたので、こうして自分の持つ仕事の知識・技術を人に伝える姿を見ていると、すごくうらやましく感じます。自分のやってきた仕事で積み重ねてきたものが、必要とする人に吸収され、受け継がれてゆくわけですからね。うちはせいぜい娘にカメラの構え方を教えるくらいですから・・・。
沿岸警備隊の皆さん。フィリピンの海上治安向上は、地理的にも日本のシーレーン確保の生命線です。くそ暑い中、重装備で大変ですが、これからも訓練頑張ってください!
編注:濱口さんと沿岸警備隊の皆さんの活躍は、日本の取り組みを世界各国に紹介する英文広報誌「JAPAN+」2005年11月号でも紹介されました。機会があればご一読を。
←嫁よ、「LIMIT OF LOVE」だってさ、「愛の極限」。うちはむしろ「極限の愛」だな・・・。ほどほどにせんと、旦那が壊れるぞ。
by miccasharon
| 2006-05-21 01:04
| フィリピン雑感